祈りの時間と恵みの光 無慈悲に傾く 釣り合わない天秤 雨にも 風にも 雪にも 負けて たどり着いた川縁の修道院 「開けてくれ」と叩く扉の音は 不協和音 静寂に消えた 「マリアも見放したか‥」 祈りの手を外して 零れ落ちた赤い涙 月明かりが照らし出すのは 疲弊した異教徒のシルエット 視力奪われた 彼の目には もう二度と光届かない 盲目のストレンジャーが 紡ぎ出す言の葉 浮世離れの賛美歌を歌う 無神論者たちの無邪気な踏み絵 コロコロと代わる神などいらない へばりついた 背中の十字架を剥がし 立ち去るユダ オルガンが嘲笑う 広がる傷口 「もう歩けない‥」 憎しみが彼の目に宿った 退路の橋を焼き払う 反逆心に走る閃光 この世界が神の教えというなら 背徳者となって狂歌を歌おう 盲目のストレンジャーが 紡ぎ出す言の葉 込めるメタファー 天へと召されよ