するりするりと 抜け出すように夜がゆく せり出す夜明け すぐそこまでせまる朝 わたしは少し逃げ出すように 家路についている 雨上がりにネコが 鈴を鳴らしかけていく 等間隔の街灯がもやを照らす 忘れかけてた あの人の声が落ちてくる この世のはじまりは 誰かにとって終わりだった 不思議な泡に包まれて 目が見えない 誰かの悲しみが 倍音でもやを揺らす 砂を噛むように ピアノを弾いて夜明けを待っている Ah 水かさ増した池の鴨にも 朝は来る 生まれながらの悲しみにも 朝は来る せり出す夜明け その頃やっと眠りについてる わたしは少し逃げ出すように おやすみ