名も知らぬ町へ 来たのだって あなたを忘れるより 思い出を数えるための 旅のようです 誰かに似てる流れ雲 南を指して行く 私を降ろし 遠ざかる汽車 北の町へ 同じ心で 同じ世界を 見つめていた 筈だった あなたのいない 夕暮れは 吹き過ぎる風ばかり 吹き過ぎる風ばかり 歌が好きな人は いつか 鳥になれるという 離れずに飛ぶ二羽の鳥は 昔恋人達 小道に続く轍のように 二人旅した頃 群がる雲も 沈む夕日も 美しく思えた 愛しい人よ 私の摘んだ 赤い花になってよ 出会った頃のあなたに とてもよく似ている 同じ心で 同じ世界を 見つめていた 筈だった あなたのいない 夕暮れは 吹き過ぎる風ばかり 吹き過ぎる風ばかり