君は3月の朝に迷ってた。 まだ冷える空気が 肺の底に溜まっていく。 痛いな。 隣を歩くにはどうも棘を 纏いすぎたようさ。 僕らこんなにも似てるのにね。 君は海の端で膝を抱え 内緒だよと耳打ちをした。 「きっと未完成がよくて、 終わりを選ばないだけなの。」 今日が鮮やかに消えていくのを 僕らただ見てるのかな。 今は少しだけくだらない 話をしよう。 もう何も思い出さなくて 済むように。 忘れてしまえるように。 今日が鮮やかに消える前に 僕ら約束をしよう。 もしも最後にどちらかが目を 覚ましたなら もう何も 思い出さなくていいからさ。 そっと、傷ついて触れてほしい。