どこで生まれたのかわからない 注文を受けて 僕は作られた がたがた揺れる闇の中 僕はまだひかりを知らない 夢 それは 冷たい夢 箱を開けて スイッチをいれて 僕ははじめて動き出す 二人は僕に名前をつけた 人間の子供につけるような名前を 夢 それは 冷たい夢 細く途切れそうな夢 人間らしく微笑んで 人間らしく悩んで 人間らしく間違えて せめて人間らしく 生きているように 夢 それは 冷たい夢 失われた温もりを求めて ただの機械である僕は 天国の存在を否定する ただの人形である僕は 神を信じることができない 今わかっていることは ここにはもう誰もいないということ そしてもうすぐ確実に 動かなくなるであろうということ 夢 それは 冷たい夢 記憶がなくなる前に見た 夢 それは 冷たい 夢