ふるさとの家は今遠く 小言を言う親もすでになく 猫が鳴いた帰り道 ガラリガラリと 名前のないこの空っぽから 逃れるようにペダルを漕ぐ 僕は誰に負けるのか まだ夜は明けるのか あーあ 空をはしるすごいくるま どんなケガもなおるくすり 夜風が目に刺さり 午前四時、いつか見た未来都市 なんにもなかったということが 今日あったのだ、という暮らし めくる指がささくれて ハラリハラリと 理由のないこの後ろめたさを 誤魔化すように笑っている 誰が僕を許すのか また明日が来るのか もつれた毛玉みたいなもの 頭ん中で転がしながら いつもいつも会いたいよ まだここで待ってるよ あのね 空をはしるすごいくるま どんなケガもなおるくすり せかい中がみんなえがお なつ休みはうちゅうりょこう すぐに君に会いに行ける ここは未来、僕はいない