白いカンバスに 白い絵の具をのせても 絵は描けない どちらがより白いのか 確かめ合って 惨めになるだけ ふたり 似ていたから 惹かれたのに 寄り添うたび 君の瞳が 眩しかった 汚れをしらないタブララサ はじめて汚した瞬間の ほろ苦い罪と心の逸り 汚すくらいなら 汚されたかった 傷は 筆の跡よりもなめらかで 押さえたら ぴたり 閉じた ── そう、閉じたの。 秋色に染まる紅葉に 桜の潔さはない でも あきらめに似た 清々しさがある わたしはどちらも選べなかった 染まることも 散ることも しがみつく最後の葉は くすんだ色をしていた あなたと同じ色を望んでも あなたには染まれないね 曇り合う白 淀み合う意味 愛しながら汚し合えばいい 分かり合えなくていい 二色でいいの ふたりでいよう 白いカンバスに 白い絵の具は たしかに描きづらい 分かち合えない二色で 虹でも描こう
