儚い想いがそこにはあったのに 確かにあったのに 熱に溶けて消えてしまった 夢のような甘い日々があったのに 確かにあったのに シャボン玉みたいに消えてしまった 鏡の向こうに欲深く唄ったなら 星が落ちる頃に 酷く、醜く、歪んでしまった 水色の中で祈りは泡に変わり 朝焼けを連れてさようなら 一夜で燃えてしまった 君が唯一私の白馬のなんとやらで ねぇ、そうだとすれば これ以上傍に居たら死んでしまうわ 恋も魔法もそんなもんよ 戻れない、夢中になってしまえば 硝子の向こうに煌きがあったのに 二人を結ぶ為の 希望の光ではなかった 君とならば覚束無い明日のことも 愛することができたのに 日々は色を褪せた 君が唯一私の運命のなんとやらで ねぇ、そうだとすれば これ以上傍に居たら壊れてしまう 君を上書きできたなら 戻りたい、出会ってしまう前に 儚い想いがそこにはあったのに 夢のような甘い日々があったのに 私だけが残されてしまった 君が唯一私の白馬の何とやらで ねぇ、そうだとすれば これ以上傍に居たら死んでしまうわ 幸せの先はそんなもんよ 戻れない、 夢中になってしまったから 二人がどんなにおとぎの 世界の中を彷徨っても 居場所がないからこれ以上 傍には居られない 「愛してる。」 一度だけ呟いた 女は夜の彼方へ消えて戻らない そう、願うのでした。