出会ったのは 5年前 翻訳のバイト 2個上の先輩で 少しだけ怖い人 最初から 全く会話はなく チャットでやりとり キーを叩く 「好きな映画は?」 『 フォレスト・ガンプ』 「へー ところで読んだ? 今週のジャンプ」 繁忙期終り ある休み時間 お互い 同時に あくびをした 笑う2人は 滑り落ちるよう 同じベッドで同じ夢を見るよ 気づけば もう下の名を呼び合う 苦いコーヒーにミルクが溶け合う 惹かれあう2人は共依存 ベランダで星見て寄り添う アマプラ スマブラ ピザとチョリソー 小さな幸せ 涙が落ちそう その頃ぐらいから ラッパーを目指した 睡眠とインクを毎日減らした 若気のいたり 思い過ごし 口癖は「売れるまで もう少し」 届けたい 届けたい この声を届けたい 届けたい 届けたい でも届かない なんで? 届けたい 届けたい この声を届けたい 届けたい 届けたい でも届かない なんで? 君を愛してるって叫びます 君へ愛してるって叫びます 君に愛してるって叫びます でもそれは届かない 歌詞 書いてると覗いてきたり ビートを叩くとおどけてみたり ライブがあれば 君は見に来てさ でも『あまり分からず ごめん』って言ってた 下手な俺が 夢追いかけた 馬鹿にされても諦めずもがけた のは 間違いなく君のおかげさ ほんとにごめん 苦労をかけた この曲を最後にラッパーを辞める 生まれてくる 赤ちゃんのため もともとだめって とっくにわかってた 男ってやつは 子供で勝手だな 最後に書くよ 君の好きなとこ 背中のほくろ 独特な抑揚 お風呂に入ると 息を止めたり あとは 生まれつき 耳が聞こえない 君は誇らしげに手話をして 『それら全部が私の個性』 神様 たまには優しさをよこせ 俺は君にこの曲を届けたい 届けたい 届けたい この声を届けたい 届けたい 届けたい でも届かない なんで? 届けたい 届けたい この声を届けたい 届けたい 届けたい でも届かない なんで? 君を愛してるって叫びます 君へ愛してるって叫びます 君に愛してるって叫びます でもそれは届かない 最後のライブの帰り道 『気づいたよ』って興奮する君 最後のライブの帰り道 『ラッパーってさ、 まるで』って言う君 『左手には 強くShureの58』 『動かす右手が手話のようじゃん』 『左手には 強くShureの58』 『動かす右手が手話のようじゃん』 最後のライブの帰り道 『気づいたよ』って興奮する君 最後のライブの帰り道 『ラッパーってさ、 まるで』って言う君 『左手には 強くShureの58』 『動かす右手が手話のようじゃん』 『左手には 強くShureの58』 『動かす右手が 手話のようじゃん』』 月日は流れ 歳を重ねる 小さなベイビーもぼちぼち歩ける 晴れた春先 日曜の午後 なにもせずにソファーに寝転ぶ 君は洗濯物を畳んでる ご機嫌なベイビーは1人笑ってる たぶんこんな未来を求めた 小さな幸せ 涙が落ちた 君の背中へ 小さな声で 「ありがとう 愛してる」呟いた 俺 振り返って 『私も』って返した君
