“夜と霧”を読む ここは深夜 無人駅 寝袋にまるまり ふと見上げた月 俺は虚しさを着た人間 ちっぽけだ 嗚咽がこぼれそうになり 息を止めた 夜明け前 静かに軒先を立ち パサパサの食パン 手を合わし いただき 喉の渇き 湧水で唇を濡らし 朝靄に顔を洗い 山ガラスが嘶き 住む家を捨てて 好きな人と離れ 雨に打たれて それ風に乾かせ その土地の神へ 頭を垂れ 汗と泥に塗れ 山の頂へ 残雪 サウスアルプスの最高峰 濡る頬 生きててよかった いま そう思う 探してる 居場所 2度とない再放送 傷ついても ひたすら Life goes on 朝の光 霧の森 漁師 網をたぐり 満ち引きにワダツミ 海猫が1人 真っ白な砂を握り 波にさらわし 今日も人は悲しいのに空は高く青い 今日はたまたま あいつの命日 先に行くなよ Wait a minute たしかに遅かれ早かれ だから長生き してほしいと思うよ また最近 平和記念公園 穏やかな秋晴れ 俺の隣 小さな子が手を合わしてる "ありがとうね"と ポツリと呟いていた それを盗み見た俺 涙が止まらないな 運ぶ命と書いて 運命と呼ぶ 緩やかに死に向かってる I ain't no joke 理不尽に命が奪われてる ありえん ちくしょう 怒り震える手で 書いていく ひたすら しつこく