消えかけた 記憶の欠片が呼ぶよ むかしむかしのこと 森の奥の村に 魔女が一人で住んでいた 誰とも話をせず ただ静かに暮らしていた だけども噂はたつ 「あら、何かこわいわ。」 「あら、何かこわいわ。」 平凡な日常を過ごしていたけど 三日月が笑う夜 ひとりの訪問者 その瞳はうつろで 身体はあざだらけ ふるえてる小さな手 引いて招き入れた それから二人は数年を暮らした 傷が癒えた子供はよく働いたよ ひとりで強く生きていくために 魔女は魔法を教えたのさ いつか憎しみも消えるころ 誰かを助けられるように けれど刻はきた 村人たちが大ぜいで 子供を探していた さらわれたものと 大人たちは乱暴に 魔女を捕らえて あぁ 無慈悲すぎる 狂った目に 映る 赤い炎 むかしむかしのこと 森にあった村は ひとりに滅ぼされた 星が月を隠す夜 逃げまどう罪人たち 残らず切り殺された 「あら、何かこわいわ。」 「あら、何かこわいわ。」 子供のゆくえは分からない