Track by黒色すみれ
嘆きという名の淵に佇み その底知れぬ 真っ暗な穴の中を 覗き込めば 物言わぬ二つの目が じっと こちらを見つめている 柔(やわ)い翼を喰(は)む悪魔よ 心ない言葉の刃を突き立てた 痛ましい友よ 時は巡り、 ひとつになろうというのか あれ程までに 争(あらが)った時代(とき)に 別れを告げて 苦しみはやがて消え その黒が、闇が、 心に沁(し)み込んで ゆっくりと広がってゆく 音もなく、匂いもなく 悲哀の淵で 私は今 どうしようもなく 心癒されている