微睡みと夢の跡 毛布かぶり抜け出した 壁飾り 置き時計 机の上 冷えたミルク 小鳥運んだ赤い木の実 窓の光に揺れている どこからか鈴の音聞こえた 朝 願いは燃えて雪のかけら 溶けてしまう だから 走れ 走れ 足跡のない白き世界へ 時が訪れて 空見上げて ふわり舞う銀色の花が 「忘れたい」 「忘れない」 と心抱きしめ 何度重ねても 同じじゃない初めての音が 空の上で響いた 君が振り返る 庭先の雪だるま 水たまりの薄い氷 しんと静かな景色の中で 息をしているひそやかに リスもカエルも野うさぎも おやすみ 見えるもの捉え在り方まで 歪めてしまう前に 超えて 超えて 白銀の地平線目指して 両手を開いて 期待満ちて ひらり舞う銀色の花が 「変わらない」 「変わりたい」と決意抱きしめ 何度重ねても 同じじゃない初めての音が 空の上で響いた また冬が来る