〈♪〉 愁いを残して 夜汽車は南へ走る 時の流れと すれ違うように走る 静けさが今 友達なら 黙って窓にもたれよう どこかで目覚めたばかりの 赤ん坊の声がよく響く そのけたたましい ほどの泣き声を 誰も憎むことはできない ああ 人生が くり返すものなら またいつか君に出逢うだろう 〈♪〉 走りゆく列車の 網棚の上に置かれた 誰にもなじみの 菓子箱がひとつゆれてる その帰りを待つ人々達 そして帰ってゆく人 ひとりの人生は いくつかの絆で結ばれている その美しすぎるほどの絆を ほどきながら汽車はゆく ああ 遠ざかるほど君は近づく ぼくの心のレールを走って 〈♪〉