今朝新聞の片隅に ポツンと小さく 出ていました あなたの リサイタルの記事です もう一年経ったのですね 去年もひとりで 誰にも知れずに 一番うしろで見てました あの唄 もう一度 聞きたくて 私のために 作ってくれたと 今も信じてるあの唄を… あなたと 初めて出会ったのは 坂の途中の小さな店 あなたはいつも唄っていた 安いギターを いたわるように いつかあなたの ポケットにあった あの店のマッチ箱ひとつ 今でも 時々とりだして ひとつ つけては すぐに消します あなたの 香りがしないうちに 雨が降る日は 近くの駅まで ひとつの傘の中 帰り道 そして二人で 口ずさんだ あの唄はもう 唄わないのですか 私にとっては 思い出なのに