北行き船の曇った 窓ガラスを指で撫で ぼかした窓越しふと目をやれば ベージュのコート襟立て 一人で海をみつめて デッキに佇む人がいる なぜ過ぎた日を思い出すようにして みだれ髪もそのまま WOO 一人で旅する人は どこかに淋しさがある 過ぎ行く季節の風に似て つぶやき声がかすかに 部屋の中に流れても それさえ船うつ波は消してく 小さな肩震わせて 寒さに耐えているなら 少しの言葉をかけてみよう そうあの人は行きずりの女なら 袖すりあうのもいい WOO 一人で旅する人は どこかに淋しさがある 馬鹿げた思いはガラス越し