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ひひとひ

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  • 2024.09.02
  • 3:28
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歌詞

風が吹いた。 誰かしら。 振り向いても、誰もいない。 最近は、読み人知らずのような、 風が増えた。 風が吹くと、思い出す人がいる。 おかしな話だ。 本来は、私が、 思い出されるべきなのに、 いつからか、 思い出す立場になっていて、おかし くなる。 そういうときは、しずかに、 空気を吸う。 耳を澄ます。 地面に手を触れ、風を起こす。 地上のどこかに、私を、 覚えている人が、いるかしら。 まあ、いいや。 私の、起こした風。 花を、散らし、種子を運ぶ。 確かに、そこにあった、 一握の時間や思い出を、届ける。 届くかな。届くといいな。届かな くても、まあ、いいや。 春が、また来る。 愛が、運命が、固い意志が、 じれったい、奥ゆかしさが育んだ、 花が、また、咲くんだ。 生き死にの、捉え方は、 さまざまだ。 愛の表現も、頬に、触れた指先も、 奇跡みたいだ。 私は、見たんだ。 形があって、形がなくて、 言葉になんか、できなくて。 涙が出てきて、けれど、 涙のあとは、あたたかくて、でも、 胸が、苦しくて。 無責任なものを、私に、 遺していく。 みんな、みんな、遺していく。 私には、抱えきれないよ。 けれど、なんとなく思うんだ。 抱えきれなくても、 いいのかなって。 時間は、かかったけれど、今は、 なんとなく、そう思うんだ。 抱えきれない私も、あるいは、 抱えきれた私も、どちらも、 私なのだから。 それで、いいのだと、思う。 誰も、答えて、くれないのだから、 私の、勝手にするもん。 緑が燃えたり、 地上の陰影が濃くなったり、 きっと、そこに、あなたは、 あなたたちは、い るのでしょう。 ほんとうは、知っているよ。 けれど、知らないふり。 私のできる、精一杯の、反抗よ。 死ぬまで生きる、私の。 足の、下にいて。 背中を、支えて。 頬を、撫でて。 それだけで、いいから。 ときどき、 包み込んでくれるだけで、 いいから。 だから、私は、生きてみる。 色々なこと。 たくさん、ある。 でも。 生きてみてからでも、遅くない。 それが今の。 私のつながり。 きまぐれな、風がつむいだ物語。

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