夕暮れ時と今夜の献立 生活ってままごとのようだね 「今日は何食べたい?」「だめ 肉は昨日も食べたじゃない?」 リズムと共に近くなる歩幅 どっちか一人いなくなるのなら 日々の意味を問うことの意味を問う 息のある君と日々を生きよう 仕事の帰り 駅で待ち合わせ パイ山思い出し急に幸せ 贅沢などないささいな生活 それが続くのが何より贅沢 知らない窓からカレーの匂い 誰かのパパがバス停乗り降り 子供はいつでも元気そう オレンジ色染まる投げた靴 散歩も兼ね 近くのスーパー ゆっくり流れる時間と空間 にんじん 玉ねぎ じゃがいも ルー買う さっきの窓が決めた夕飯 あとは切らしてる日用品 「明日任してもいい? 掃除」 こっそり隠れておつまみを すぐバレて戻されたとんがりコーン 「いい加減にして お菓子ええから」 ビールはいつも同じ銘柄 最後にアイスを買い精算 カートを押してお会計払う 両手に二つの買い物袋 「一つ持とうか?」「ええよ ありがとう」 人の暮らしの可愛らしさ 時代を生きる私達は 「しりとりでもする?」 りんご ゴリラ ラップ プラモ 「…もずく忘れた」 そんな風にして地球は回る さっきの窓に幸せあれ 長く伸びた影 二つ 目が留まる いくつになっても人は世話を焼く 夕暮れも終わり 暗くなる頃に吹き抜けた七月 「ええ風」 こうして二人で歩く帰り道 いつしか愛しく思い出すでしょう 過去が思い出に変わるとしたら 悲しみが訪れたあとでしょう 幸せって立ち止まりゃしないから 時間が流れるんだと思えば 歳をとることや いつか死ぬことを 前よりも少し受け止められた そんな想像を知る由もなく 一歩先 小さな後ろ姿 「あなたに出会えてよかった」 なんて台詞 今言ったら怒られるかな? たぬき キツネ ねずみ ミミズ 図工 うどん …いや うそ うさぎ ギター アイス スイス スイス スイカ カラス スイス スイス リズムと共に近くなる歩幅 どっちか一人いなくなるのなら 日々の意味を問うことの意味を問う 息のある君と日々を生きよう