慟哭

歌詞

「まあ適当にさくっといきます」 「名前だけでも覚えて 帰ってください」 「10分間ラフに揺れてってよ」 「俺今風邪引いてもてて」 「声枯れ気味で」 「さっき飲まされ 過ぎたんでべろべろなんですけ どー」 「針がないんでアカペラで 歌います」「CDを忘れて」 「相方は今日バイトで休みです」 「いやそれじゃないねん その3曲目かけて いやその次 いやそれの前 …ええわ もうそれ歌うわ」 「2バース目が 出来てないんで1バースだけ キックします」 「今度はもっといいライブするんで 来てください」 「ミス多いけど今日はほんま 楽しいわ」「とんだからフリスタ」 「僕らただの遊びっすから」 昔のフライヤー 取り出して眺める 持ち込みがバレて怒られたっけ? 笑える 週末には会える先輩達が好きで いろいろ教えてくれたのは 見なくなったあなたです 「目開けてライブし」 「持ち時間は守れ」 「声量出てきたな」 「あの曲良かったわ」 あの頃の先輩の年齢もこえ 俺は後輩に何を残し 伝えれるだろう? 前売り1500別途1drink 当日の料金は誰のショーで生じる? 今じゃ 「演者全員足してチケ代を 目指そう」ともとれるショーケース しけてクラブ出たもん 「人が少ないけれど」って 口さけても言うなよ お前だけを見に来ている 最前列からの ファンの目に映る景色は武道館も クラブも ステージだけが見えているって点で 全く一緒 フライヤーに載ることに責任を 持てよ 「主催者に感謝」 ならば友達を呼べよ 当日に 「風邪引いて出れません」って 絵文字付きのメールがきた場合 一体どこ怒ればいいん? お前が遊びやろうが 本気やろうが どっちやろうが 聞く人が払ったんは本物のお金で どんな立場置かれてるかを考えて 立て 10分あれば 人は人生を変えれる あと適当な奴が多いねん 人待たしといてリスペクト? もういいって 相手から奪う1分は 自分とっての1年に値する 返信遅い 折り返しもない だから売れてないねん 連絡って誠意を見せれる チャンスやのに そこで信頼を下げてどうすんねん 「ラップは時間守らんでいい」 とかどっかでそう思ってないか? 時間守らされる就職が嫌で 逃げて 歌うっつー 周りがしてないことしてることで 「自分は特別なんや」 と言い聞かしてないか? 特別やから普通に働かんでいい 「金ない金ない」って言い合って 安心 “社会”に立てたつもりの中指の先 それが指したのは“場所”ではなく 今を生きる人間 なあ もうやめにしようぜ 終わらそうぜ これで食うってことはこれを 仕事にするってことでラップって 行為で俺らは 社会ってとこに寄らなあかんねん 大きなうねり生む歯車は動いてて 今さら歯車にはなれんかもしれんね じゃあ 俺は潤滑油になりたい そうなることで 俺はその場所に寄りたい たしかに 世の中にむかつくこともある 絶対におかしいやろ? 思うこともある 元気に巣立ってったバイト 先の後輩が次々と病んでって俺は 社会ってやつを恨んでもいる だからこそ 俺は決めてん 世の中にケンカ売ったんねん 普通じゃない世の中でラップという 行為で 俺が思うまんま生きて 普通に暮らしたんねん したら世の中は悔しがんで 俺を困らそう思っていろいろ 作ったのに 俺はなんでもない顔して 普通に暮らしてんねやから で言うたんねん 「はい 俺の勝ち」