けむたい夢 きみのなごりが じっと立ち込めてた ねむたい目で顔に触れたら きっとほつれて戻らない 夏の騒ぎにもだえるうちに 冬の静けさは忘れてしまって 今日も支度は間に合わないまま お湯が湧くのを待っている じれったい爪 はじいてごまかした 記憶のないできごとを しめっぽい風 きみの香りと似てる 花を思い出した気がした 季節の中を歩いていけば 他人への愛も取り戻せるかな 昨日の荷物は床に散らばったまま 髪が乾くのを待っている ベランダに来た鳥が鳴いてる 雨を待つような雲が浮いてる 取り込んだまま畳めないシャツ とりあえず並べた拾ってきた石 飲みかけの缶 食べかけの豆 もったいないけど 全部捨てよう 読みかけの本 書きかけの日記 毎日変わる 今日が散らかっていく