薄暗く小さなこの部屋は まるで僕を映し出す鏡だ 窓枠に切り取られた空が やけに遠くて眩しく見えていた 失くしたんだこの部屋のどっか でこぼこで出来損ないの いびつな硝子玉 散々な夢を見たような 現実感のなさ 昨日まではそこにあったのにな どうでもいいようなこと 見過ごせばよかったのに 壊れてしまった 君に言わせてみればきっと 大したことないんだろうけど 誰にも触れられないように 奪われないように 大事にしてきたの 僕の形を探して 僕の色を探して 差し込んだ光にかざしてみれば ほら 乱反射するほどに この部屋は明るくなった 僕は僕らしさが分かる気がした どうでもいいようなことが 許せなかったよ 壊してしまった 散々な夢を見ている かのような現実だ 心を粉々に砕いて 乱反射 この光は 全部僕自身だったから 壊してしまった 出来損ないを許せなかった僕は 気づいてしまった そろそろこの部屋をでなくちゃ これ以上は望めないと 気づいてしまった だから壊してよかった よかったんだ よかったんだ