振り向く 波の音に 消えていく 泡になるルールの 先を生きている 夜から朝にかけて運んだ 荷物のまわりの しずかな空気が震わす 街を徐々に彩っていく 塞いだ耳をそっと元に戻す 風の音 渋滞のランプ オレンジ 跳び越える 影の黒さ 素手でつかんだ画面の 言葉の星座を追って 割れてしまった未読の未来を 覚えていて 巻き戻すたび消えてく 気づいている 運ばれたリボンを ほどいていただけ 夜から朝にかけて 選んだ言葉は 僕らを関係させてく 忘れた声も日々の形を作る 知らない糸を そっと たぐるように 流れる街の音 点滅する赤の振動 蒼く浮かんだ画面の 言葉の星座を追って ぼろぼろに絡まりあった 未読の未来をほどいて 強く陽が差す 氷は解けて つけた折り目 思い出にする 湿った大地 夏草は揺れ ふきこぼれた 炭酸の跡 なにも数えず なにも離さず 目を細めて 光の中に すれちがいざま 君の目の中 いつかは去る ここで生きてる 夏を生きてる