散らかる部屋に広がるのは 荒波に疲れた防波堤 シャワーキャップすら離せない僕は いつまで経っても海を眺めてる まだまだまだまだ解けない縄を 身軽なフリで飛び越えて 裸足で踏んだ 砂の熱さにイライラしながら 走り続ける 膝の破れたデニムの隙間にも 日差しは抜け目なく赤く照りつける 雨粒は避けられないな 走っても歩いても容赦がない 今日は転んだの 雨が降っていたの 泥に塗れたシャワーキャップは 汚くて 邪魔になったから捨てた 初めて目に入れた水は涙よりかは 痛くはなかった 足元の泥は生温かった 季節外れのしつこい毛布は 優しさに飢えた自発性 痒みにうなされ外に干しても 気まぐれ豪雨に嘲笑わられてる 履き慣れた皮のサンダルは 頼りないほどによれよれになってた 裸足は少し痛いけれど 僕はこの方が笑えてる 今日は転んだの 雨が降っていたの 水溜りは濁り過ぎて 覗き込む僕の姿など知らんぷり 初めて下を向いて見たら 零れ落ちた雫が目に見えた 汗か雨粒か涙かは知らない 知らなくて良い 知らなくて良い 泥に塗れたシャワーキャップは 雨に洗われて綺麗になった 良かったな まだまだまだまだ解けない縄は いつかは千切れて雨に流される さようなら