レシピどおりに作った筈の ディナーを 最後の火加減で台無しにして泣いた 隠す間もなく フォークで刺して口に入れ 「死ぬほど不味いけど食べる」 と笑う君がいた 表は土砂降り 予定は水の泡 あの場所も景色も この天気では無理そうだ ひとり不機嫌な私の顔に 雨の飛沫を撥ね散らかして君は言う 完璧な人生を欲しがる前に 今日笑ったかどうかを確かめろよ まだ生まれてもいない未来に 期待はすんなよ レシピどおりになんて いかない毎日を 嘆きそうな日はこっそりと思い出す 言いたくはないけど 立ち直らされることもある そんなこと君は知りもせず繰り返す 完璧な人生を欲しがる前に 今日笑ったかどうかを確かめろよ まだ生まれてもいない未来に 期待はすんなよ 丸焦げのフライパン 雨で烟る観光地 悲惨な記憶がなんで 良い思い出になってんだ? 君の見ている景色は きっともっと鮮やかだ だから今日も僕は 自分の声で繰り返す 完璧な人生を欲しがる前に 今日笑ったかどうかを確かめろよ まだ生まれてもいない未来に 期待はすんなよ