夜が眼を開いた 溜息と混じる暴力と 夢を見ては醒めた うらぶれた言葉になんない 夜の眼が開いた こんな声も途切れてしまう それが夜になって ぼくのことを追いかけてくる 誰かが手握って 「走り出すよ」って言った 顔見上げ笑った あの娘だった あの娘だった 君を見ていたら 何もかも恐れることないよ 遠い部屋の音が 君の声を通して聞こえる 宙を舞い 走った 夢中になって回った 手をひかれるから 夜を駆けた 夜を駆けた 目が覚めると あの娘も 夜の中にも どこにも 消えてなくなった 手のひらからこぼれおちる 君のいない夜を転がって 走り続ける 君の遠い声が 夜が眼を開いた 夜の眼が開いた