風が猛る虚空(こくう)を抜けて 死者を攫(さら)い 何処(いずこ)へ消える 羅袖(らしゅう)はためき裂けて 呼ぶ声も遠く闇に飲まれた 葬斂(そうれん)の跡は 火の轍(わだち) 弔(とぶら)いを焦がす 雨に濡れる 五月雨(さみだれ)の午后(ごご) 引き裂かれた儕(ともがら)の許 逆巻く風に煽られて 呼ぶ声も遠く闇に飲まれた 葬斂(そうれん)の跡は 火の轍(わだち) 弔(とぶら)いを焦がす 葬斂(そうれん)の跡は 火の轍(わだち) 弔(とぶら)いを焦がす 驀地(ましぐら)に駆ける 火の轍(わだち) 焦熱(しょうねつ)の葬車