天をつんざき稲妻が降ってくる 眠ったままの魂を醒ますため 光の腕は心臓をわしづかみ 容赦などせず滝壷(たきつぼ)へ投げ入れる 落ちてゆく落ちてゆく 戦慄へ 降りてゆく降りてゆく 戦慄へ 落ちてゆく落ちてゆく 深淵へ 降りてゆく降りてゆく 深淵へ 苦悩と名乗る御使いが待っている お前はいつも孤独のみ友とした 悩んだ深さ苦しみの重さだけ 底の知れない断崖を覗けよう 落ちてゆく落ちてゆく 戦慄へ 降りてゆく降りてゆく 戦慄へ 落ちてゆく落ちてゆく 深淵へ 降りてゆく降りてゆく 深淵へ 真っ暗闇を 手探りまさぐり こわごわ進む 曲がりくねり 洞穴(ほらあな)そこらに 木霊が返る なんて静かな世界だ なんて大きな世界だ 岩の壁の あちこちそちこち 偉大な教え 大回廊 果てなく連なる 古代の叡智 なんて美しい景色だ なんて懐かしい景色だ あゝ 私が 生きているのは 喜びのため あゝ 私が 喜びあるのは 苦しさのゆえに あゝ 私が 生きているのは 喜びのため あゝ 私が 喜びあるのは 苦しさのゆえ あゝ 私が 泣いているのは 幸せのため あゝ 私が 幸せにあるのは 苦しみのゆえに 空の青さは生命を愛でている 世界はけして解体をしてはない 喜び咽(むせ)ぶ官能が続くまで 私はさらに苦しみを求めよう 落ちてゆく落ちてゆく 戦慄へ 降りてゆく降りてゆく 戦慄へ 落ちてゆく落ちてゆく 深淵へ 降りてゆく降りてゆく 深淵へ