クロッカスが線路づたいに 咲いている 低い空が地面すれすれに 垂れこめて 油をひいた床板もまだ 乾わかない内に 子供たちは いつこの想いに 気づくのか チョークの粉を手ですくったら きっと許せる景色が今 見えてくる 頬をゆるめて習った教師の 肩はばをたどりたいけれど 帰りたいけど帰れない 去りゆく青春は あのころきみはぼくより高かった 2cm早く日暮れに気がついた ほこりを拭うぼくを遠くで 5年前のきみが見てる 仕事をかえて 暮らしをかえて きみに逢わぬよう 電話をかえて 上着をかえて 高さをかえた カセットのつめ折ったくせさえ 忘れようとして ひとり出歩く街は 冷たくさざなむばかり 届けたいけど届かない 去りゆくきみのもと もうきみをつらくさせないよ 今ならきっとうまくやれるから 自分のことを決められなくて もう悲しむのはよそう もう悲しむのはよそう 戻りたいけど戻れない 去りゆく青春は もうぼくを苛酷に置かないで 重ねた日々を不安にさせないで きみによく似た人はいるけど どうしてきみじゃないの どうしてきみじゃないの