仄暗い水の中から、 すくい上げた瓜二つの 醜いバケモノが黒く塗りつぶされ 同じ目をしていた 僕じゃない、キミが悪い 嫌悪の意識、白いモヤの中 覗く目、蠢く手、耳元で囁いた 「委ねてしまえ」 救われたい訳じゃない 逃げたい訳じゃない 許さない、僕に似たお前を 真似しないで 目が覚めたときには、 灰色の雨の中にいた 口が枯れてしまわぬように 錆びた空を見上げていた 朽ちたピアノ、感情のフォルテ 溺れてしまう 明瞭な意識、闇の底 重たい、身体を、引き摺って、 進むしか方法はない そうするしかなかった 君を認識して、僕は僕を刺した 気づいてしまったんだ 2つとして存在しちゃいけないと 今僕は誰、ビルの隙間、 空に落ちてゆく