ご存知なの? ずっと気付かずに ターミナル駅の端にある 0番線 国電が いまも往き来する 長いホームの線路の先は 揺れる陽炎 すぐに 発車のベルが鳴って 古い木張りのシートに座り トンネルを抜けたならば 赤い夕陽が沈む海を 貴方 とても綺麗と ふっと独りごちるの 帰路たどる 車窓の女学生 サッシに彫られた落書き 相合傘 心は消えてしまうから 形が要るの いつの日かまた宿るようにと 人は 死んで風景になり あの街並みも 山も 川も 手を振る子供も 貴方 そして またここに生まれ来て この夕焼けの空に きっと涙するでしょう 明日も今日も通過駅 昨日行きの0番線で 迎えに来ます
