--------- 過去(きおく)を盗られた少年は 固く閉ざした鍵を壊して逃げだした 帰る場所などなくて道なき道へと 吹き抜けた風に身を竦めて ふらつき倒れた瞼に残る 枯れた花を手にした『紅き魔女』 「もし夜が心地いいなら 朝が怖いのなら 光を愛さなくてもいい」と 教えてくれたひと 自由を手にした少年は 同じ孤独を背負う出逢いに恵まれた 未だ素直になれず噛みついた時も 吹き抜ける風は何故か優しい 笑顔の仮面も いつかは剥がれ 裏切られて傷つくはずだった でもある日 やっと零れた一粒の涙が 世界を嫌う意味さえ そっと洗い流していく 夢のような魔法 青い花が見せる幻の-- 「たとえ全てが 嘘の話でもいいんだ」 強がる少年の目を覗く『紅き魔女』 は 「偽りのない現実が辛いなら 私が未来を変えてあげる」と 強く語ってくれるひと