アルバムを整理しているとさ、 その時の関係性がよくわかる。 走馬灯のように流れていくのは こっちを向かなくなった 君の横顔だ。 元々、 カメラが苦手なわけじゃないよな。 憶測でしかないが、 そんな気がするんだ。 写真には映らなかった何かが そのまま僕らの現在地だろう。 あのさ、 伝え損ねたことがあるんだ。 数えるのも、忘れるのも、 気が滅入るくらいあるんだ。 起承転結はいらないんだ。 白黒なんかつけないでいい。 いいんだ。 当たり前に出来ていたやり取りも 説明が必要になっていた。 痛み止めじゃ追いつかないんだ。 結局、僕は学ばなかった。 今年初めて吐く息が白くなって、 秋すら嫌いになった気がするよ。 君と居た時はよく笑っていた。 逆に、 君は日に日に笑わなくなった。 僕も気付いていた。 でも、逸らした。 写真には全て映っていたんだ。 あのさ、 言わなきゃよかったことがあるん だ。 数えている。覚えている。 既に意味なんかなくても。 君はもう気にしないだろうか。 どちらだろうが虚しいな。 海だろうが、どこだろうが、 寂れた遊園地だろうが、 あなたが一番綺麗だった。 美しい生き物だった。 人の価値なんて 測るもんじゃないが、 揺らぎようのないほどに流麗だ。 綺麗だった。綺麗だったんだ。 きちんと 日付ごとに整頓されている。 それがまた、事実を裏付ける。 言い残したことはないか。 書き残したことはないだろうか。 あのさ、 謝りたいことばかりあるんだ。 知らなくていい。聞かなくていい。 自己満足でしかないから。 巻いたまま置いた フィルムがあった。 焼き増したって、増えやしない。 アルバムを整理しているとさ、 その時の関係性がよくわかる。 走馬灯のように流れていくのは こっちを向かなくなった 君の横顔だ。