いつもより少し早い電車に乗って 眠そうな街を追い越した あなたなら「らしくないね」って 笑いながら気づくんだろう ポケットの中で丸くなった 映画の半券を捨てられず 意味なんてないって言いながら 今日まで持ち歩いていた すれ違う人の中に 似た背中を探してしまう そんな癖だけ残った あと一歩だけ 近づけたなら 違う未来を 見られたのかな あなたが笑うたび世界は 少しだけ明るくなっていた そんなことも言えないままで 季節だけ先へ進んでいく 「またね」が最後になるなんて あの日は知らなかったよ 胸の奥で揺れる名前を 風がそっと連れていった 夕焼けが窓に映るたび 今日もちゃんと終わっていく 寂しい色じゃないはずなのに あなたを思い出す色になる 好きだった歌が流れると つい口ずさんでしまうけど 隣で重なっていた声だけ 静かに空白になっていた 泣かないことが 大人になることなら 少しだけ私は 子どものままでいい Hello, my love 届かなくてもいいから 今夜だけは 心の中で話をしよう 「元気でいるよ」 その一言だけで 涙はちゃんと 笑顔に変わるから あなたがくれた優しさは 時間じゃ薄れてくれなくて だから明日も抱きしめながら 新しい朝を迎えに行く 誰かを好きになるたびに 少しだけ怖くなるけれど それでも恋をやめないのは あなたがいた証だから 夜空に浮かぶ細い月へ 小さく手を振って歩き出す きっといつか笑いながら 「あの日も悪くなかったね」 そう言える 私になりたい
