“あれは正義か、それとも悪か 彼女はどうやら祝福されている” その肢体を通り過ぎた人の数だけ 彼女は吐き続けた嘘を真実にすり 変えて行った 人は都合の悪い真実よりも 都合の良い嘘を信じるものだ 彼女は魔女だったかもしれないが それを生んだのは 人の欲望ともいえよう 彼女はまた違う男と踊るのだろう 彼女はそうしてうまく生きて来た 重ねた嘘と肢体から流る誰かの真実 不都合な答えを唇に隠して その肢体を通り過ぎた人の数だけ 彼女は吐き続けた嘘を真実にすり 変えて行った 彼女は多くの人々から恨まれていた しかしそうであるほど多くの実りを 得ていた 彼女はまた違う男を踊らせている 彼女を邪魔する者は 誰もいなくなった 重ねた嘘と肢体から流る誰かの真実 不都合な答えは吐息に紛れて その肢体を通り過ぎた人の数だけ 彼女は誰も届かぬほど、 やがて真実となった