彼には不思議な魅力があるようだ 彼の周りには人が絶えない 彼には不思議な魅力があるようだ 彼の被害者が後を絶たない 彼には独自の価値観があり なぜか人々はそれに翻弄されている 抗うことなどできようか 人々は彼自身に夢中なのだから その眼は慈愛に満ち溢れて いつしか彼無しではいられなくなる 彼の魅力には秘密があるようだ 人を観察する人ほど彼に魅入られる そして彼の価値観に振り 回されるうちに いつしか自らの思考を 止めてしまうのだ その眼は慈愛に満ち溢れて いつしか欠けた自分が彼で満たされ 真円を描く頃、 誰も深淵を覗かなくなり もう二度と 彼無しではいられなくなる