汗が張り付いたシャツ越しに 気持ちが透けてしまいそうで なんとなく背を向けた帰り道 好きな食べ物は同じで血液型だけは 違って 私だけ溶けかけたシャーベット いつも通りの夏が来て 退屈でうだりそうだった海辺の街で やりたいこともなくて 色違いのサンダル履いて はしゃいだりして なんでも写真に撮りたがる時の 君が苦手になった 思い出を保存する行為は 永遠の否定に感じて 取り消したい過去の科白が 時々枕元に立って問いかける 「どうすればよかったか」 永遠と一瞬一瞬は 少しだけ似ているとわかったよ どうしようもない恋をして なんとなく生活をしたりして いつも通りの夏が来て 退屈でうだりそうだった海辺の街へ 君が無くしたサンダルは どこかで誰かが履いてんだろう 今でもきっと 「私は何にもなれないよ」 と呟いて君は飛び込んだ 「私は何にもならないの」 と叫んで君を追いかけた
