長い映画の最後の安堵のように、 ただ君はそこで待っていてよ。 くだらないことだとしても、 君のいる街まで行こうと 決めたんだよ。 術はもうなんでもいい。 君へたどり着けばいい。 海の冷たさを、 地平の虚ろさを、 君と知ってみたいだけ。 ため息より儚い光華を ソーダ水の縁でにじませながら、 エチュードの日々を歩く君の明日を 照らす歌を口ずさむよ。 誰も知らなくていい。 君に届くだけでいい。 空の深さすら、 夕日の赤さすら、 君をふちどりたいだけ。 綴る言葉を追い越すような 速さで過ぎゆく、夏を彩る花を。 術はもうなんでもいい。 君へたどり着けばいい。 海の冷たさを、 地平の虚ろさを、 君と知ってみたいだけ。 君を知ってみたいだけ。