喧騒の街 焦らすように 3月の風が吹いて肌を撫でる 高層ビルの隙間で 無邪気なこの想いは薄れていく 炭酸の抜けたコーラは 懐かしい匂いのまま ぬるくなった 相変わらず この街のどこかに きっとあなたがいて 思い出した 話したこと 「雨が止めば、虹を見よう」って あなたを照らせる光を探して メリーゴーランドのような夜を泳い だ 見えているモノを見落として 後悔も振り返らずに走っていた 悲しいことを見ないように いつの日かあなたの言葉も忘れて 立ち止まると白い靴は 落ちぬ泥で汚れていて 降り止まない雨音が 優しい声も遮った もう届かない声が独りで響いて 終わる夢を見ていた 壊れて気づいた くだらない話で笑う顔や あたりまえの暖かさに 救われていたって 雨上がりの春空に 雲間を縫って 虹が架かっていて 思い出した その声が この背中を押してくれたこと 光を求めてあなたに触って いとしさだけ残して消えてしまった あなたがいたから 私がいるから メリーゴーランド回って あなたを照らしますように