色がつく前の街に出て ゴーストのままで すり抜ける 水色に滲む足跡は 誰にもバレずに消えていく あどけない空きカンの中で 夜の残党が時計を外す頃 排ガスを浅く吸い込んで歌う 鼻歌は春を誘うから 幽体されど夢を見る ゼロバイトの心臓は脈打った 点滅する信号さえ 色彩を投げつけて狂わせる プランクトンのスタンスで 浮かんだことひとつずつ忘れて 憂鬱な誰かをサルベージ 揺らぐ街のハリボテランドスケープ 週刊誌の噂 白黒のシャワー 浴びてまた朝 眩んだ目 所属不明のあの怪電波で 春の空白に傷がつくなぁ 人間の低いため息を 街のカラスが掠め盗る刹那 偶然に欠伸する猫が それを横盗る皮肉を見て笑う 幽体だから逃げ出せる これ以上悪くなりはしないぜ bpmと足並みが 触れ合う瞬間をただ待っている