覚えてないけど きっとスタートは切った 改札を抜けて 空いてるホームに立った 頭を上げるその姿勢を見習った 握ったチケットに一体何を抱いた 二度と戻らないホームを見送った 各駅停車で足並みが巡った 乗り込んだ奴の 身なりは若くは無いが 誰かが席を譲る気配はなかった あぁもうここは 知らんふりがうまいな 退屈な画面空になった横顔 腐った駅の生温い手品 最高速で黄色い線を飛べ 裸足で乗るなら手荷物もないさ 笑う車掌と同じ目の観衆 扉が閉まるやっと手にしたチケット 破る奴もいれば呑み込んだ奴もいた つり革に下がり黙劇を決め込んだ 服を纏っただけの ただの人形のようだ 最新の息が混じるパーソナルエリア 手に絡まった罪と空になった行く末 譲った席に名前はつかない のさばった馬鹿の黄色い声が飛ぶ 裸足で乗るなら垂れる抗弁もないさ 笑う観衆と同じ目の世間 腐った駅の生温い手品 最高速で黄色い線を飛べ 裸足のままでも不自由はないさ 笑う前照灯目の前の終点 構内の大観衆 乗客は大熱狂 生涯の集大成 飛び散った血晶星