この雨が上がる頃には 花弁も流れ落ちて 暗い灰の上に散りばめた 鮮やかさに汚される 二つ並べた傘はもう 二度と並ぶこともなく 欠けた心の隙間から 雨は溢れ流れていく 花時雨 雨粒が花弁と涙を流す これで空も見上げられるだろう? 独りきり春の雨 擦りむいた心に沁みる この痛みが心地よくて 思い出に残された 後ろ姿だけが 咎め続けるように焼きついている 桜色の雨の中 今もまだ独りきり あなたにまた会えるのを 待ち続けている この雨が上がる頃には 思い出も流れ去って 空白を埋める術すら わからぬまま立ちつくす 花時雨 雨粒が悲しみと涙を流す 冷えた体伝い落ちていく 独りきり春の雨 この胸を締め付けていく この時間が心地よくて 思い出に閉じ込めた 幸せな笑顔が 咎め続けるように焼きついている 桜色の雨の中 今もまだ独りきり あなたを忘れ去る日を 待ち続けている この雨が 悲しみも寂しさも隠してくれる 伏せた顔も上げてくれるだろう 花時雨 雨粒が花弁と涙を流す これで空も見上げられるだろう? 独りきり春の雨 擦りむいた心に沁みる この痛みが心地よくて 思い出に残された 後ろ姿だけが 咎め続けるように焼きついている 桜色の雨の中 今もまだ独りきり あなたにまた会えるのを 待ち続けている