首筋をなぞって落ちてく祈り 背中を這う正体不明の瞳はいくつ 影の中潜んだ何かに怯え 振り返れば今いる場所さえ揺らぐ 永遠に続くような気がして 怖くなるけれど それでいて孤独から 目を背けているんだ 今さら 橙色した月のように どこまでも追い掛けてくる 呼吸を止めても目を閉じても 心までは逃げられない 近付けば流れ 離れれば淀み あいだを探れば立ち眩む こめかみを叩いて深くに響く 鼓膜の奥鳴り止まぬ声に感情は皆無 喉元を過ぎても何ひとつ消えず 追い掛ければ元いた場所へと戻る 永遠に昇るような トリックに飲み込まれた それでいて空の方へ 目を凝らしているんだ 今でも 橙色した月のように どこまでも追い掛けてくる 声を枯らすほど泣き叫んでも 痛みまでは吐き出せない きみという光 ぼくという翳り 分かち合えるほどわかれない 永遠を望むほど 愚かしくなんてないけれど それでいて終わりから 目を逸らしているんだ 今もずっと 橙色した月はやがて 宵闇を照らしはじめる 夜を無くすほどそばにいても ぼくらはきっと満たされない 始まりを告げたその時から 付かず離れずついてくる 歩みを止めれば楽になれど 戻ることは許されない きみという祈り ぼくという痛み 形を変えまた忍び寄る