散らかったままの部屋、 片隅の布団の中。 微睡んでは醒めてを 繰り返して眠れぬまま。 いつだってそうだった、 合図を逃して後の祭り。 うだつは上がらぬまま、 面倒だな、面倒でしょーがない。 蹲ったまま嘆いて、 起き上がることさえ億劫。 両の手をそっと重ねて、 夢の始まりを待つ。 例えば少し贅沢をして、 値段も見ないでお買い物。 それだけで幸せだったのに、 気づけば笑えもしない。 何気ない言葉、 仕草や声色が棘みたいだ。 優しくない世界を 呪った振りをして、 一つだって遺せない、 空っぽはあたしだって 気づいていた。 左手首の傷口から、 溢れた水色の欲求。 バスタブの底で乾いて傷んだ。 あたし何もかも全部忘れて、 素直になりたかっただけ。 両の手をぎゅっと握って、 また1人だ、さよならも言えない。 孤独を愛した振りをして、 「寂しくない、痛くもない」 悪戯に哀を注いで、 1人呟くの「ごめんなさい」 まだ夢が始まらないから。