大切なもの、集めたの 満たしていく 柩の船を漕ぎ出すの 1人で 傷が癒えないまま、 航路は決めたようだ 「忘れないでいて」 /陶器が熱を纏っている 試験管の底、海の果て、 吸い殻の中燻っている 問いの答えは、まだいらない。 時計の針と、弾む心と、 鮮やかな季節抱いて眠った。 簡単な日々と、消えない目眩と、 その面影だけ残した。 夜更けの街灯に、爪弾きの人形に、 また少しだけ君のことを想った。 季節が巡っても、生活が続いても、 返答はない。 光が翳っていく(滲んでいく) 声も割れて、涙枯れて、 君だったものを閉じ込める (切り取った物を閉じ込める) 一人で行くんだね、もう。 (あなたが来ない様に) ただ、一つ、二つ、数えても、 交わらない、ことだけがわかる。 (思い出が、後ろ髪を引く) 光が翳っていく(滲んでいく) 声も割れて、涙枯れて、 繋がった未来が解けていく 一人で逝くんだね、もう。 (あなたが来ない様に) ただ、一つ、二つ、数えては、 君がいない、ことだけがわかる。 (あなたとの、思い出を捲る)