プリザーブド・ラヴァー

歌詞

電飾の揺れ残る街に 曖昧な歌で花束を 雑踏 横目に鳴り出した どっかの誰かの 愛の歌 静寂が耳に障るから 泡沫のままで抱き締めた 声が残らずに届くように 幸福の種はどこに植えよう? ビルに侵されたこの街で 「ネオンサイン 見逃さないで」 僕ら耳を澄ましたんだ せめて心の黒は灰にして あざやかな明日を描いた 嫋やかに 穢れを知らぬ少女のように 軽率に繋いだ小指と 相反した現実は まだ 同じ世界には見えなくて 「照らした 僕らの あの日は?」 どうかあなたがそのままで 美しいままであるように 目下 淡々と祈るだけ 切り取っても澱んだもの その言葉 疑う心 あなたへと放つ言葉に 整合性を探した 「苦しいね」と笑えたこと その涙も綺麗なこと 少しずつ消えていく 暗い空で 手を離さないで 僕ら夢を見ていたんだ ふたり夜空の黒に細工して 朝の前に星で彩った その手に 触れていられなくならないように 喧騒の海 漂う瞬間も 世界に独りだけみたいだ 冷めた缶コーヒーを 縋るようにずっと握り締めたまま 忘れ去られたイルミネーションが 疎らに散っては光っていた それが妙に綺麗で 息が詰まってどうしようもないな ネオンサイン 見逃してしまった 僕は耳を澄ましていた せめて此処に何か残したくて あざやかな街で息衝いた したたかに 穢れに気付かぬ振りをして 名前を呼んで ねえ傍で歌って そっと夢を見てみたんだ 千切れて消えていく延長線で あざやかな祈りが残った 緩やかに 穢れを赦すこの街のように