茨木市駅のロータリーには 砂糖の心を持った天使がいた 反対側のベンチにアホの笛吹き 雨空の下で妙な歌を歌う もしこれがあの花火の日なら とても疎んでいただろうけれど 止むべきときは止んでくれるから 僕はやっぱりこの空が好き 雨 雨 雨降り 心の音に深く耳済まして 君と僕の心に 燻んだ空が鮮やかだ 駅前の銀行の植え込みには 雨宿り三匹の子猫 飼い主の帰りを待つ柴は 濡れてもお行儀良くしている 君の呟きが面白くって 階段で一人にやけている 灰色の空 アスファルトの水滴 全てが煌めいて見えた 雨 雨 雨降り 「排気ガスのような空だね」 心が溶け出す 何も難しくないのさ 雨 雨 雨降り あの待ち合わせた日の午後の雨 「必ず行くから待ってて」 あの日と同じ空の色 いつも傘に隠れて照れ笑い 面白いこと見つけたときの目 僕らは子どもでいいよ だって充分大人じゃないか
