岨(そわ) 駈ける 時も 聢(しか)と 眼を 開いて 其の 果てに烟(けぶ)る 煌めく 影に 龍を見ゆ 嗚呼 逼(せま)る 刻(とき)も 口唄で 繋いで 照らされる 貌(かお)に 泛(うか)ぶ 鳳(とり)の羽根の 愛(まな) 嶮(さが)し径(みち)も 痛(や)める疵(きず)も 此の 結い目を 解(ほど)けぬ 厳(いか)し声も 課す琢磨も 彼(あ)の 称(とな)えを 遂(と)ぐ為 歩み往く 無天の天空(そら)を 加護の 旗手は 翻り 軈(やが)て 逝く 無常の風に 鳳は歌いて 抱(いだ)かふ あな 縷縷(るる)の 如(こと) 邁(つと)める 精神(こころ)を 只 突き抜く 直歩(ひたあゆ)ぶ 無天の天空(そら)を 夢の代わりに 前を見て 躄(いざ)り往く 無功の雲に 龍は昇りて 了(さと)り 舞う 越えて 往く