雨のしずくが 魔法を掛けた 傘を閉じた不揃い達が 夜に溶けていく 水たまりで煌めく街だけが 白夜の夢を灯す ー晩だけのミッドナイトクルーズ 5分前の車を最後に 雨音だけの響く寝静まった街 足元に現れた世界は 雨だれが映した月の裏側 車道を塗り替えた リフレクションの鏡 不条理すら肯定して 加速していくファンタジー 錆びついたアーケードさえも 眩い光のファサードなる 街の呼吸の波紋で世界が濁る前に 雨のしずくが魔法を掛けた 傘を閉じた不揃い達が 夜に溶けていく 水たまりで煌めく街だけが 白夜の夢を灯す ー晩だけのミッドナイトクルーズ エントランスを潜り抜けたら 雨の音は僕らだけの周波数 陽の裏で2つのパルスが 街の声をかき消して鳴り響く 陸海空反転の桃源郷の海に 雲の切れ間から顔だした下弦の月 ねえもう後少しだけ 擬態の街で手をつないで 秘密のパラドクスの 夜景に紛れ込もう 雨の音が魔法のミュージック 傘を閉じた不揃い達が 夜に溶けていく 水たまりで踊る雨音が 白夜の夢を歌う 名前の無いブルーズ 朝になれば魔法は解け 折れた傘で不揃い達が肩をひそめる 水たまりの街で見ていた夢の 覚めない魔法はあるの? ー晩だけのミッドナイトクルーズ