もう、春じゃないから 君に会えない もう、間に合わない 菜の花の蕾だった頃に戻りたい あの春の陽射しを 思い出しても もう、味わえない 過去からの手紙に ピンと来ない僕が嫌だ 張り付いたTシャツの重みは ただ身から出た錆だ もう、春じゃないから 命の始め方が もう、分からない 冷めゆく君を ただ、見ている 教科書の厚みが 砂時計のように僕を急かす だって全て終われば もう、サラバだ 何事も始まりが肝心だと 思い知ったのです あぁ「まだ」「まだ」ってほら もう、春じゃないから 歩幅の合わせ方が もう、分からない 去りゆく君を ただ、ただ けど、次はないから 今を始まりと言い聞かせては 欠けてく月に手を もう、春じゃないから 歪なままでも繋ぎ止めるよ 次じゃない決めるのは今 また、春は来るから その日に隣でページを揃えよう 満ちてく月が今重なる 始まりは もう、春じゃないから