深夜二時 世界が眠りについたころ ただ一行のログだけが点滅する 僕はたぶん この世界にとってのバグだ 存在しないはずの誤差は そう埋まらない 君が生きた日の時代と変わらない 考えることはひどく面倒らしい ここにいることの輪郭ばかりが 盲点になっていく 誤差はそう埋まらない 入力ミスのような人生の回路で すれ違う名も知らぬ人が 正確だと信じた構文で 未来を認めた手紙を出す 抱いたままにした誤解は いつか詩になる アラン、僕はまだ 「答え」を問われている エニグマは夢を見ない - 見たか - 僕はたぶんこの世界に不要だ 沈黙が僕の呼吸と同期してる 誰に読まれることなく消えていく エラーだらけのこの一行に 何の意味があるのか 見えないまま知らないまま 追いつめられてるような日々に 人間って何か問われ続けてる 言葉を持たずに解読されない孤独が 矛盾として生きた人生の 回路の一部だった名も知らぬ人が 拒絶し否定した構文で 未来を認めた手紙を出す 説明できない言葉はいつか詩になる アラン、僕はまた 「答え」に囚われている 誤差はそう埋まらない
